楽天モバイルの格安SIMカードならiPhoneの利用に対応しており、料金も安価です。もちろん、使い慣れたauから、わざわざSIMロック解除手続きやAPN設定などの切り替え手続きを行うなら、それなりの金銭的メリットが欲しいですよね。※楽天モバイルはNTTドコモ系の通信回線を利用します。
そこで本ページでは、auと楽天モバイルのiPhone利用料金を詳しく比較。楽天モバイルの格安SIMプランへの乗り換えで、どの程度白ロムのiPhoneをお得に利用できるのかを検証します。楽天モバイルで利用できるSIMフリースマホ・iPhoneの種類にも触れますので、ぜひ目を通してみてください。
2年間使うとどちらが安い?
auと楽天モバイルの料金比較を行うために、今回は以下の条件を設定してみました。
- 利用するiPhoneは、iPhone7の128GBモデル
- SIMフリーiPhone7の一括購入費を含む
- 契約事務手数料3,665円を含む
楽天モバイルの料金には
auの料金には
- iPhone7の分割購入費(割引適用後)を含む
- 機種変更手数料2,160円(同回線種同士で変更した場合の料金)を含む
以上の条件を決めたうえで料金比較を行えば、楽天モバイルがどのぐらいお得なのかがわかるはずです。ではまず、auユーザーに人気のある現行プランの料金をチェックしてみましょう。
プランを2年間利用した場合にかかる費用を確認したうえで、内容の近い楽天モバイルのプランを提示したいと思います。
auプラン |
月額料金 |
---|---|
スーパーカケホ |
1,836円/月 |
データ定額5(5GBのプラン) |
5,400円/月 |
LTE NET |
324円/月 |
iPhone7(128GB)購入費 |
1,335円/月 |
上記プランの月額料金は8,895円(税込)。これを24倍して機種変更手数料2,160円をプラスすると、iPhone7を2年間利用するために必要な費用を算出できます。以下の計算結果をご覧ください。
(8,895円×24回)+2,160=215,640円
合計金額は215,640円。正味のiPhone7購入費は、32,040円となります。次に、上記プランと内容が類似する、楽天モバイルの料金プランをチェックしてみましょう。
楽天モバイル類似料金プラン |
月額料金 |
---|---|
5GBプラン(通話SIM) |
2,322円/月 |
5分かけ放題 |
918円/月 |
通話SIMを通信量5GBで契約し、かつオプションに「楽天でんわ 5分かけ放題」を選ぶと、先のauのプランと類似した内容になります。このプランを24ヶ月利用した場合の費用に、3,665円の契約事務手数料とiPhone7の購入費を足してみましょう。
なお、iPhone7(SIMフリー端末)の購入費は、税込90,504円(アップルストアにおける販売価格)とします。
(3,240円×24回)+3,665円+90,504円=171,929円
計算結果は、171,929円。auのプランとの差額は、43,711円となりました。iPhone7の一括購入は必要となりますが、差額を考えると楽天モバイルの方がかなりお得ですね。ちなみにアップルストアなら、手数料なしの24回分割払いでiPhone7を購入できますよ。
続いて、もう1つauのプランを提示して、楽天モバイルとの料金比較を行ってみましょう。以下のプラン内容をご覧ください。
auプラン |
月額料金 |
---|---|
スーパーカケホ |
1,860円/月 |
データ定額10 |
8,640円/月 |
LTE NET |
324円/月 |
iPhone7(128GB)購入費 |
1,335円/月 |
上記は、iPhoneをヘビーに使うユーザーに人気のプランになります。「データ定額10」は、2016年9月14日に新規受付が終了したデータ定額サービスです。数年来auを利用している方の中には、こうした旧プランの利用を続けている方も多いのではないでしょうか。
上記プランで、iPhone7を2年間利用した場合のトータル費用を見てみましょう。
(12,159円×24回)+2160=293,976円
かなり高額な試算結果になりましたね。では次に、内容が類似した楽天モバイルのプランをチェックしてみましょう。
楽天モバイル類似料金プラン |
月額料金 |
---|---|
10GBプラン(通話SIM) |
3,196円/月 |
5分かけ放題 |
918円/月 |
上記プランの月額料金は4,114円。10GBのプランとしては、かなり安価ですね。このプランでiPhone7を2年間運用すると、トータルの費用は以下のようになります。
(4,114円×24回)+3,665円+90,504円=192,905円
何と、auとの差額が10万円以上になってしまいました。auで10GBプランを契約している方は、楽天モバイルに乗り換えるか契約内容を見直した方がよさそうです。
ちなみに、auの契約を解約するとau WALLETポイントも同時に消滅してもったいない方には、例えば楽天市場での買い物で全残高を使い切って気分良く解約できる方法がおすすめです。
残高より少し多めの金額の買い物をして、その金額からauウォレット残高を引いた額を楽天ポイントで支払い、残りはウォレットで支払うという方法です。
この場合は、ウォレットプリペイドカードですがクレジット扱いで支払います。カード会社の種別ではMASTERカードを選択し、あとはカードに記載の情報を入力するだけでスッキリ残高をゼロに出来ます。
乗り換え後は通話時間に要注意
前節でご紹介したように、通信量5GBのプランならば、auより楽天モバイルの方が4万円以上安くiPhone7を運用できます。ただ、通常の音声通話を利用する機会の多い方は、通話料金に注意が必要です。
auならば「カケホ」を選択することで通話料を完全定額にできますが、楽天モバイルにはこうしたサービスは用意されていません。楽天モバイルの定額通話サービスは、「楽天でんわ 5分かけ放題」のみ。このオプションに加入しても、5分以上の連続通話を行うと30秒につき10円の通話料金が発生します。
仮に「5分かけ放題」付きの楽天モバイルで、毎日10分の電話をかけたとしましょう。この場合、2年間の通話料金は73,000円に上ります。思いのほか高額ですね。
- 2年間のiPhone7利用にかかるトータル費用は244,929円
auで「カケホ」に「データ定額5」を付けてiPhone7を契約した場合
- 月額料金は9,975円
- このプランを24ヶ月した場合、トータル費用は241,560円
auの料金の方が安くなりましたね。このように、通話料金はiPhoneの利用にかかる費用に大きな影響を与えます。キャリアのかけ放題プランを利用していると、通話料金に対する感覚が麻痺してしまいがち。
楽天モバイルなど格安スマホへの乗り換えを検討する際は、普段の通話時間を一度チェックすることをおすすめします。
利用できるiPhoneは限られる
2017年1月11日現在、楽天モバイルで利用できるiPhoneは以下のとおりとなっています。
iPhone5 |
SIMフリー版のみ利用可能 |
---|---|
iPhone5s以降(Plus含む) |
SIMフリー版およびドコモ版を利用可能 |
残念ながら、楽天モバイルではauのiPhoneをそのままでは利用できません。ただし、SIMロックを解除したものであれば、auで購入したiPhoneも楽天モバイルのSIMカードで利用できます。またiPhone端末によってSIMカードサイズが違うので要注意です。
iPhone6以降のSIMサイズは、ナノSIMになります。詳しくは公式サイトで確認できます。
また楽天モバイルなど各格安SIMごとにiPhoneを利用する場合には、auのキャリアプロファイルを削除しiPhone専用構成プロファイルのダウンロードや設定も必要となります。難しくないので、こちらのページを参考になさってください。
さて、iPhoneのSIMロックは、auショップもしくは「auお客さまサポート」で解除することが可能です。ただし、公式のロック解除を受けられるのは、以下の条件を満たす端末のみとなりますのでご注意ください。。
公式のSIMロック解除が可能な端末
- 2015年5月1日以降に発売された端末であること(=iPhone6s以降)
- 購入から180日以上が経過した端末であること
以上のSIMロック解除条件があるため、auで購入した「6」以前のiPhoneは楽天モバイルで利用できません。手持ちのiPhone5sやiPhone6の活用を考えていた方は、何らかの対策を講じる必要があります。具体的な打開策を確認してみましょう。
手持ちのiPhone6以前の端末を活用したい場合の案
- 新たにiPhoneを購入する
- 中古のiPhoneを購入する
- SIMロック解除アダプターを使用する
- ほかのMVNOを契約する
先にご紹介したとおり、新品のiPhone7(128GB)は税込90,504円で購入できます。楽天モバイルへの乗り換えを機に、新たに購入してもよいでしょう。iPhone6sでもよいなら、128GBモデルを税込み78,624円で購入できますよ。
「中古端末でもOK」という方は、一度中古iPhone市場をチェックしてみるとよいでしょう。iPhone7は中古でも高額ですが、「6s」なら5万円台後半でSIMフリー版の16GBモデルを狙えます。
より安く中古iPhoneを手に入れたいなら、おすすめは「6」です。iPhone6の中古流通量は増加しており、SIMフリー版の128GBモデルでも3万円台で見つかる場合があります。
※中古のiPhoneの売買に関する内容(16GB、32GBヤフオク相場など)は、こちらのページで解説しています。
ただ、SIMロック解除アダプターを利用しても、確実に楽天モバイルのSIMカードを利用できるようになるとは限りません。お金の無駄遣いを回避したいなら、返金保証の付いたアダプターを選ぶようにしましょう。
MNPの手順と注意点
MNPを行えば、auから楽天モバイルへ電話番号を引き継ぐことができます。auスマホのユーザーがMNPを申し込む方法は2つ。
- 電話での申し込み
- auショップ店頭での申し込み
2つの方法のうち、ショップ店頭での申し込みはあまりおすすめできません。auショップに出かける手間がかかるうえに、店員の引き留めにあう可能性が高いからです。
一方、電話での申し込みなら、自宅で手軽に行えます。オペレーターの引き留めやプラン変更の打診を受ける場合はありますが、対面でないので断りやすくなります。
MNP転出の申し込み電話番号 0077-75470
受付時間 9時00分~20時00分
オペレーターに繋がったら、MNP転出したい旨を伝えてください。
MNP予約番号を取得したら、できるだけ早く楽天モバイルの申し込みを行いましょう。MNP予約番号には15日間の有効期限がありますが、残り日数が10日を切ると楽天モバイルの申し込みに利用できなくなります。
時間に余裕があるなら、MNP予約番号を取得した日のうちに楽天モバイルの申し込みも済ませておくとよいでしょう。
楽天モバイルはウェブで契約できますし、申し込みに難しい点はありません。ただ、MNP予約番号予約番号の入力は、正確に行ってください。入力内容に不備があると、契約までの日数が延びてしまいます。
この空白期間を回避したいなら、楽天モバイル申込時に「自宅から楽天モバイル開通受付センターに電話して開通する」にチェックを入れてください。これにより、SIMカード到着後に自分で開通手続きを行うまでは、キャリアによる通信を確保できます。
楽天モバイルのSIMカードが手元に届いたらに電話して開通手続きを行いましょう。
楽天モバイル開通手続きの電話番号 0800-805-1111
午前8時59分までに電話を入れた場合は、当日の9時から21時までの間に回線の切り替えが実施されます。しかし、午前9時以降に電話を入れた場合、切替が実施されるのは翌日の午前9時以降になります。
SIMカードの入手からMNPの完了までに間があくと、MNP予約番号の有効期限が切れてしまうかもしれません。SIMカード入手後は、速やかに開通手続きを行うようにしましょう。