スマホに搭載されているCPUの種類と比較方法 2019年版

スマートフォンに搭載されているCPUは、端末の性能を大きく左右する重要な役割を担っています。端末と同じようにCPUにも種類があり、それぞれに性能が異なるため、スマホの性能を比較したいときにはCPUの知識が不可欠です。

この記事では、CPUの性能を比較する際に注目すべきポイントを詳しく解説します。

CPUの役割と仕組み

スマホの性能を知る上でまずチェックするべきなのがCPUの性能です。

CPUとは「Central Processing Unit」の頭文字を取った略称で、日本語では「中央演算処理装置」といいます。

中央演算処理装置という言葉を聞くとすごく難しく思えるかもしれませんが、スマホの処理速度を決める「頭脳」の役割をする装置です。

頭の良い人ほど計算が速いことと同じで、CPUも性能が高いほど処理速度が速くなります。

  • CPUの性能を知るためにチェックすべきポイントは「コア数」と「クロック周波数」の2つです。

コア数

コア数を表す表記では「シングルコア(1コア)」や「デュアルコア(2コア)」といった名称が使われます。

このコア数が大きいほど処理が速くなります。

コア数とその名称は下の表をご覧ください。

コア数名称
1コアシングルコア
2コアデュアルコア
4コアクアッドコア
6コアヘキサコア
8コアオクタコア
12コアドデカコア

コア数=情報を処理する人数だと考えれば、人数が多いほど速く処理できるということになるのでわかりやすいと思います。

格安スマホはこれまでデュアルコアとクアッドコアが主流となっていましたが、最近ではオクタコアが一般的となりつつあります。

クロック周波数

クロック周波数には「GHz」(ギガヘルツ)という単位が使われており、こちらも数値が高いほど処理速度も速くなります。

コア数=情報を処理する人数とするならば、クロック周波数=処理する人の一人あたりの能力だと考えるとわかりやすくなります。

スマホ本体が熱くなるときというのは、この数値以上に負担のかかる処理を求めて許容範囲を超えてしまっているときです。

クロック周波数が低いと、容量の大きなアプリなどを使用するときに極端に反応が鈍くなることがあります。ストレスなくスマホを使いたいのなら、クロック周波数の高いCPUを搭載している端末を選ぶと良いでしょう。

スマホ向けCPU(SoC)のメーカーについて

スマホ向けCPUは「SoC」とも呼ばれています。SoCは「System on a Chip」の略で、1つのチップ上に多くのシステムを載せる設計手法がこの名前の由来となっています。

スマホのCPUは大きく3つの系統に分類されます。

Android端末に搭載される「ARM系CPU」「IntelのCPU」と、iPhoneに搭載される「Apple Aシリーズ」の3つで、それぞれに特徴が異なります。

ARM系CPU

Androidスマホの多くに搭載されているのが、このARM社が設計するCPUです。

ARM社は設計だけにしか携わっていないため、製造段階で搭載する機能がカスタマイズされることもあります。

IntelのCPU

IntelはスマホよりもパソコンのCPUを製造しているメーカーとして有名ですが、IntelのCPUはAndroidスマホの一部でも使用されています。

しかし、Intelは2016年にスマホ向けCPUの開発を中止し、現在では事実上の撤退状態となってしまっています。

IntelのCPUは高性能な反面、ARMと比べ熱を持ちやすく、消費電力が大きくなってしまう特徴があります。

Apple Aシリーズ

Apple製のCPUはiPhoneに搭載されています。

ARMのCPUがベースとなっており、Apple社が独自の機能を追加しています。

2018年7月現在、Apple Aシリーズ最新のCPUは、iPhone X、iPhone 8とiPhone 8 Plusに搭載されているApple A11となります。

現在主流となっているCPU

人気端末に搭載されている現在主流のCPU性能を比較してみます。

iPhone 7」とAndroid系人気端末「ZenFone 3(ゼンフォン スリー)」のCPUスペックをベンチマークスコアで比較し、どの端末がどれくらい優れているのか確認してみましょう。

機種CPUコア数クロック周波数ベンチマーク価格
iPhone 7 PlusApple A10クアッドコア2.3GHz172,64485,800円~
ZenFone 3 Ultra ZU680KLQualcomm
Snapdragon 652
オクタコア1.8GHz82,44059,800円~
ZenFone 3 Deluxe ZS550KLQualcomm
Snapdragon 625
オクタコア2.0GHz61,33260,264円~
ZenFone 3 Deluxe ZS570KLQualcomm
Snapdragon 821
クアッドコア2.4GHz154,03096,984円~
ZenFone 2 ZE551MLIntel Atom Z3580クアッドコア2.3GHz47,10738,664円~

このように比較してみると、iPhoneのベンチマークスコアが圧倒的に優れていることがわかります。

Androidスマホを選ぶ時には、歴代のiPhoneシリーズのベンチマークスコアと比較することで、各端末のCPU性能がどれくらいなのかを把握できるかもしれませんね。

高性能なCPUを必要とするアプリについて

高性能なCPUを搭載したスマホのほうが使い勝手は良いですが、その分価格は上昇します。

スマホの使い方によってはそこまで高性能なCPUを必要としないケースもあります。

ロースペック(低性能)で十分なアプリ

電話、メール・チャット・LINE、SNS、写真撮影、音楽再生、地図、ニュース、電子書籍

こうしたアプリをメインに使うのであれば、そこまで性能は必要としませんので、1万円~2万円程度のスマートフォンでも十分使うことができます。

低価格スマホに搭載されているQualcomのSnapdragonの400番台のシリーズで十分です。

ミドルスペック(中性能)を必要とするアプリ

インターネットサーフィン(サイトによる)、2Dゲーム、動画撮影、動画再生、写真加工

スマートフォンでいろいろなアプリを楽しみたいという場合には、ミドルスペックの性能を必要としますので、格安スマホを購入する際にも3万円前後のスマートフォンを検討する必要があります。

QualcomのSnapdragon600番台のシリーズやHuaweiのKirin600番台シリーズを搭載したスマートフォンが丁度よいでしょう。

コスパに優れるSoC/CPU「Snapdragon 670」がついに登場

Qualcomがコスパに優れるミドルレンジ向けの最新SoCとして「Snapdragon 670」を発表しました。 Introducing Snapdragon 670 for superior per ...

続きを見る

ハイスペック(高性能)を必要とするアプリ

3Dゲーム(シューティングなど)、VR、動画加工、音楽編集、Word/Excel

これらのようなCPUの性能を使うようなアプリを想定している場合や、どんなアプリでもサクサク動かしたいという場合には、ハイスペックな性能を必要とします。

5万円~10万円の予算でスマートフォンを購入する必要があります。

QualcomのSnapdragon800番台のシリーズや、HuaweiのKirin800番台シリーズを搭載したスマートフォンを購入する必要があります。

また、iPhoneは性能が高いので1世代前のiPhoneまであれば十分にこれらをこなすことができます。

CPUはコア数が多ければ良いとは限らない

CPUの性能はコア数とクロック周波数で決まりますが、コア数は必ずしも多ければ良いとは限りません

上に記載したベンチマークの比較表を見てもわかるように、コア数が少なくてもコア数の多い端末よりベンチマークスコアが高くなることもあります。

単純にコア数が多ければ良いだけなのであれば、もっと多くのコアを搭載したCPUがあってもおかしくないですが、現在市販されているスマホではオクタコア(8コア)が最高となっています。

それには理由があり、いくらコア数を増やしてもマルチコアに対応するアプリがなければ有効に活用することができないのです。1つのコアにしか対応していないアプリを動かすのに、4コアや8コアものコア数は必要ありません。

そう考えると、コア数よりもクロック周波数が高いCPUの方がスムーズにアプリを動かすことができることになります。コア数が少なすぎるのも良くありませんが、同じコア数であればクロック周波数が高いCPUが処理能力は高いといえます。

また、最近の端末ではクロック周波数とコア数の組み合わせを工夫することで、必要に応じた数のコアを動かす省電力化が進んでいます。

まとめ

CPUの性能は高いに越したことはありませんが、その分端末の価格も高くなることが多いため、自分のスマホの使用目的に合った性能のものを選ぶことが大切です。

日常的にスマホで3Dゲームを楽しんでいるようなヘビーユーザーであれば、iPhone 7やZenFone 3 Deluxe ZS570KLなどのように、クアッドコア以上2.3GHz以上のハイスペックCPUを搭載している端末がおすすめとなります。

しかし3Dゲームなどの重い負荷をかける使い方をほとんどしない人であれば、1.8~2.0GHz程度のクロック周波数と、コア数もデュアルコア程度で十分にストレスなく使用することができるでしょう。クロック周波数が1.7GHz以下のZenFone Goなどでも、通話やメールなどの基本機能程度であれば不便なく使用できます

LINEやSNSをメインに使用するくらいであれば、それほどハイスペックなCPUは必要なく、無理に最新の高性能モデルを選ぶ必要はありません。

この記事を参考に、使用目的に合った最適なスマホを探し出してみてください。

ぴったりの格安スマホを15社から10秒で診断!

Q1
利用する人について教えてください

更新日:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© 格安スマホ辞典 , 2024 All Rights Reserved.