サービスに加入しておけば、SIMフリー版端末の故障および破損が生じたときに、修理や交換を受けることが可能。ただし、トラブルが起きなかった場合も、月額500円のオプション料金を支払うことになります。
はたして、楽天モバイルの保証サービスは、この料金プランで加入するほどの価値があるものなのでしょうか。その是非を判断するために、プラン詳細情報を元に本ページで補償サービスの内容や注意点に詳しく迫ってみましょう。
この記事の目次
楽天モバイル端末保証オプションの概要
楽天モバイルの端末保証オプションは、正式名称を「端末補償」といいます。このサービスに加入することで、どの程度の補償を受けることができるのでしょうか。サービスの概要を見ていきましょう。
自然故障~水没 どこまで補償してくれる?
詳しくは後述しますが、「端末補償」は新品のスマートフォンやタブレットなどの端末のみを対象とした補償サービスです。補償対象となるトラブルは、以下のようになっています。
- 故障
電源が入らない、画面がフリーズして動かないといったトラブル - 破損、全損
落下による端末の破損や全損といったトラブル - 水没、水濡れ
トイレや洗面所などでの水没および水濡れによる故障
上記のトラブルが起きた場合に、「端末補償」に加入していれば所定の補償を受けることができます。この一方で、以下のようなトラブルには補償サポートは対応していません。
- 盗難、詐欺、置き忘れ、紛失などで生じた損害
- 故意または重過失の疑いが認められる故障や破損
- 端末への物体の落下や衝突による破損
盗難や詐欺といった犯罪や、置き忘れといった要因で生じた損害は、「端末補償」では補償されません。使用者が故意に破損させたと認められる場合や、使用者の重過失によって破損が生じたと認められる場合も、補償の対象外となります。物体の落下や衝突といった外部からの衝撃による端末の破損あるいは故障も交換対象にもならず、補償の対象外です。
それぞれいくらまで、どの程度補償してくれる?
「端末補償」の補償内容は、対象となる端末によって以下のように変わります。
- スマートフォン・タブレット…同一機種への交換
- パソコン…修理
スマホおよびタブレットが故障・破損した場合は、同一のものに機種交換が行われます。交換にともなって発生する使用者の負担額は、4,000円から7,000円。交換する機種によって、負担額が変わりますがスマホ代金も高額なのでこのような機種交換は助かりますね。修理による対応は行われません。
一方、パソコンが故障・破損した場合は、状態に応じた修理が行われます。使用者の負担金額は0円。修理期間は2週間ほどを要しますが、金銭的な負担なしで対応してもらえます。
なお、購入後1年以内に端末が故障した場合は、「端末補償」を利用する前にメーカー保証の適用を受けられないか問い合わせを行ってください。「端末補償」の規定では、メーカー修理を優先的に使用することと定められています。
メーカー保証が適用されれば、費用をかけずに端末を正規修理もしくは交換できる可能性が大となります。一度メーカーに問い合わせてみる価値は、十分にありますね。ただし、故障の原因が水没や落下である場合は、メーカー保証の対象となりません。この場合は、「端末補償」を利用するとよいでしょう。
電池交換サービスはあるか。ない場合はどう対処する?
「端末補償」の対象となるトラブルの内容は、先にご紹介したとおりです。補償対象に、バッテリーに関するトラブルは含まれていません。では、バッテリーに不具合が生じた場合に、交換に応じてくれるサービスはないのでしょうか。
結論を述べましょう。楽天モバイルに、バッテリーを交換するサービスはありません。ただ、新品で交換した端末であれば、メーカー保証によるバッテリー交換を受けられる可能性があります。
スマホやタブレットのメーカー保証期間は、通常1年間。この期間内に異常なバッテリーの劣化が生じた場合は、メーカーのカスタマーセンターに問い合わせを行ってみてください。保証期間が過ぎている場合も、有償で持ち込みスマホのバッテリーを交換してもらえる場合があります。ただ、この場合は、交換工賃がやや高くつくかもしれません。
年に何度まで補償してくれる?
端末補償は何度でも利用できるのかも気になるポイントですね。実際にはこうなっています。
- 「端末補償」は、年に2回まで利用可能
- 「端末補償」の利用期間は、契約時から2年間のみ
※この期間を超えて、同サービスを利用することはできません。
つまり「端末補償」は、最大で4回までしか利用できないのです。破損や全損に対する補償を4回受けた場合は、速やかにオプションを解約してください。またその際には、端末を守る頑丈なケースを購入することをおすすめします。
修理に出している間代替機はある?空白期間は起きてしまうか?
楽天モバイルの「端末補償」には、代替機が用意されていません。スマホやタブレットのトラブルには交換で対応されるため、代替機を貸し出す必要がないのです。ちなみに交換品の発送は、以下のタイミングで速やかに行われます。
平日16時までの受付分 |
当日中に発送 |
---|---|
平日16時以降の受付分 |
翌日に発送 |
土日祝12時までの受付完了分 |
当日中に発送 |
土日祝12時以降の受付完了分 |
翌日に発送 |
早めの時間に交換を申し込めば、申し込み翌日には端末を受け取ることができます。端末を利用できない時間は多少発生しますが、十分スピーディーな対応といってよいでしょう。
大きくわけると2つの保証
ここまでにご紹介した内容は、楽天モバイルの保証サービス全体の半分に過ぎません。というのも、楽天モバイルには2つの保証サービスが用意されているのです。前節までにご紹介した「端末補償」は、そのうちの1つになります。ここで、2つの保証サービスのおおまかな特徴をチェックしてみることにしましょう。
SIMと同時購入した端末補償
「端末補償」は、楽天モバイルのSIMカードと同時に購入した端末のみを補償するサービスです。このため先に触れたように、サービス対象は新品の端末に限られます。
また、サービスの特性から、「端末補償」に加入できるのは楽天モバイルの格安SIM申し込み契約時のみ。すでに契約を済ませているユーザーは、同サービスに加入することができません。なお、「端末補償」の対象となるパソコンは、SONYの「VAIO S11」に限られます。
すでに持っている端末を保証する「つながる端末保証」
楽天モバイルのもう1つの保証サービスとなるのが、「つながる端末保証」です。こちらは、楽天モバイル以外で購入した端末を保証してくれるサービス。月額料金は「端末補償」と同じく500円、加入できるタイミングは楽天モバイルの契約時のみです。
「つながる端末保証」に加入すると、かなり多様な種類の端末に対する保証を受けることができます。次節からは、この「つながる端末保証」について、詳しく見ていくことにしましょう。
つながる端末保証についてもっと解説
「つながる端末保証」は、水没や破損・全損のほかに、自然故障の補償にも対応しています。自然故障とは、通常利用する範囲で生じる故障のこと。一般的には、メーカー保証の範囲に含まれる故障です。
利用中の端末に上記トラブルが発生した場合、「つながる端末保証」に加入していると、無償修理または有料での端末交換を受けることができます。端末交換時に生じる利用者負担額は、以下のとおりです。
同一年内1回目の交換 |
4,000円 |
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同一年内2回目の交換 |
8,000円 |
なお、「つながる端末保証」の対象となるのは、楽天モバイルが指定する方法で登録を行った端末のみです。登録方法については、後のほどご説明します。
自分の白ロムでも購入した中古でも補償してくれる?
「つながる端末保証」は、自前の白ロムや中古で購入した端末に生じたトラブルも補償してくれます。キャリアで使用していたスマホや、SIMをロック解除した端末も保証の対象です。ただし、違法なSIMロック解除を行った端末は、サービスの対象に含まれません。
Amazonで購入した海外版端末は対象?
「つながる端末保証」の対象となるのは、日本国内で販売されたメーカー正規品のみです。日本国内で販売されていない端末は、保証対象となりません。また、日本国内で修理できない端末も、サービス対象外です。このため、ネット通販で購入した海外版の端末は、保証対象となりません。
端末の価格はどれだけ高くてもいいの?
価格がどれだけ高額な端末でも、「つながる端末保証」の対象とすることができます。ただし、修理代や端末交換費用の上限は5万円まで。この金額を超えて発生した費用は、利用者負担となります。仮に10万円するスマホの交換を行ったとすれば、利用者は5万円を負担しなければなりません。
とはいえ、補償上限額を上回る修理費や交換費用が生じる場合は、サービスを実施する前に連絡を入れてもらえます。高額な費用を支払いたくない場合は、この段階でサービスをキャンセルすることが可能です。
中古でもよいのか?購入して何年までのものならよいか?
先にも触れたように、「つながる端末保証」は中古で購入した端末にも適用されます。ただし、適用対象となるのは、発売から36ヶ月以内の端末のみ。発売後3年以上が経過している端末は、保証対象となりません。
なお、改造や過度の装飾が施されている端末も、「つながる端末保証」の適用対象外となります。派手なデコレーションが施された中古端末は、購入を控えた方が賢明です。
途中で対象端末を変えられる?その方法
所定の手続きを踏めば、「つながる端末保証」の対象となる端末を変更することができます。変更手順を見てみましょう。
対象端末の変更手順
- サービス対象としたい端末に、楽天モバイルのデータSIMや通話SIMのSIMカードを挿入する
- 同端末で、指定のページにアクセスする
- ページ内で「端末識別番号」や「顧客識別情報」などの入力を行う
サービス利用開始時も、上記の手順で端末を登録することになります。なお、登録時に画面割れやケース割れ、水漏れが生じている端末は、「つながる端末保証」の対象となりません。破損がなく正常に作動する端末のみを、登録するようにしてください。
非正規の修理は補償対象外
過去に非正規の修理を行ったことのある端末は、「つながる端末保証」の保証対象外となります。たとえば自分で修理を行った端末は、保証対象となりません。
また、中古で購入した端末は、非正規の修理が行われている可能性が大。中古ショップでの端末購入を検討している方は、ショップの方に過去の修理内容を詳しく聞くようにしてください。
なお、トラブル発生時に自分で正規の修理を申し込むと、「つながる端末保証」の補償を受けられなくなります。楽天モバイルに修理代を請求しても応じてもらえないので、ご注意ください。
故障後何日以内に電話しないと保証してもらえなくなるか
「つながる端末保証」の修理サービスは、専用コールセンターの電話番号にかけて申し込めます。ただし、修理を受け付けてもらえるのは、故障が発生してから7日間まで。連絡が遅れると、補償を受けられなくなります。専用コールセンターへの連絡は、早めに行うようにしましょう。
サービス適用を申し込んだ後は、指定された場所に端末を発送することになります。オペレーターの指示に従って、発送手続きをとってください。なお、発送時の送料は楽天モバイル側の負担となります。
代替機のタイミングは?端末が手元にない時間がおきるのか?
「つながる端末保証」では、希望者に対する代替機の貸出に対応しています。ただし、代替機の発送タイミングは、修理サービスの混み具合によって変わるのでご注意ください。
通常は修理サービスに先駆けて代替機が発送されるので、到着に何日も待たされることはありません。しかし修理依頼が集中していると、代替機が不足して発送に時間がかかる場合があります。こうした事情から、タイミングによっては端末が手元にない期間が生じるかもしれません。
楽天モバイルの端末保証と他社との比較
前節までの説明で、楽天モバイルの保証サービスの概要をご理解いただけたかと思います。この節では、アップルやキャリア、他MVNOサービスに備わる端末保証と、楽天モバイルの保証サービスを比較してみることにしましょう。
アップルケアとの比較
アップルでは、自社のハードウェア製品に対する保証サービス「アップルケア」の提供を行っています。主なサービス内容を、以下でチェックしてみましょう。ここでのサービス対象は、iphoneとします。
- 料金…14,800円(サービス期間2年)
- 修理サービスとテクニカルサポートを通常より1年間延長
- iphone本体の保証
- バッテリーの保証
- 付属イヤフォンやアクセサリの保証
- 過失や事故によって生じた損傷に対する修理(最大2回)
付属品まで保証してくれるサービスは、アンドロイド搭載スマホではなかなか受けられません。この点は、アップルならではのサービスといえそうですね。
ただ、端末の修理にかかる利用者負担は、画像の損傷の場合で3,400円、そのほかの部分の損傷の場合で11,800円とやや高額。修理費に関しては、楽天モバイルの保証サービスに軍配が上がりそうです。
大手キャリアとの比較
大手キャリアでも、端末保証サービスを用意しています。まず、ドコモに用意されている、「ケータイ補償サービス」の内容を見てみましょう。
- 月額料金…2014年冬以降の機種=500円、他の機種=380円
- 水濡れ、紛失、全損などに対して交換電話機を提供
- 故障した機種の修理代金を補助
- データ復旧代金割引
「ケータイ補償サービス」の月額料金は、利用している機種の発売時期によって変わります。なお、交換電話機提供時の利用者負担額は、以下のとおりです。
2014年冬以降の機種 |
一律7,500円 |
---|---|
上記以外の機種 |
1回目5,000円、2回目8,000円 |
端末交換によって生じる利用者負担額は、楽天モバイルの保証サービスと同程度のようですね。続いて、auの「安心ケータイサポートプラスLTE」の内容をチェックしてみましょう。
- 月額料金…380円
- 故障、破損・全損、水濡れ、盗難、紛失に対して交換電話機を提供
「安心ケータイサポートプラスLTE」は、端末が盗難に遭った場合の交換機提供に対応しています。交換にともなって生じる利用者負担額は、以下のとおりです。
契約が25ヶ月以上のユーザー |
1回目3,000円、2回目6,000円 |
---|---|
契約が25ヶ月未満のユーザー |
1回目5,000円、2回目8,000円 |
長期利用者の方が、少ない負担で交換電話機の提供を受けられるようになっています。こうした配慮は、楽天モバイルの保証サービスにはない点ですね。また、「安心ケータイサポートプラスLTE」は、月額料金の安さも魅力です。次に、ソフトバンクの「安心保証パックプラス」の内容を見てみましょう。
- 月額料金…650円
- 反応のない端末の無料修理
- 外装交換費用90%OFF
- 電池パック1個無料進呈 or 内蔵バッテリー交換3,000円割引
- オンライン修理受付割引
- 水濡れ・全損に対する修理対応
- 盗難・紛失保証
- データ復旧サポート
- ケータイなんでもサポート
「安心保証パックプラス」の月額料金はやや高額ですが、内容はかなり充実しています。ちなみに、水濡れ・全損に対する修理が生じた際の利用者負担額は5,000円。ややリーズナブルな価格設定となっています。
以上のように、各キャリアの保証サービスはかなり充実しています。サービスの手厚さでは、キャリアが楽天モバイルを上回っているといえそうです。ただ、自社以外で購入した端末まで保証してくれるのは、楽天モバイルのみ。楽天モバイルの保証サービスも、決してキャリアに負けてはいません。
他MVNO代表2社との比較
楽天モバイル以外の人気MVNOといえば、IIJmioとUQ mobile。これら格安スマホ会社には、どのような保証サービスが用意されているのでしょうか。まず、IIJmioの「端末保証オプション」の内容をチェックしてみましょう。
- 月額料金…380円
- 画面割れ、水濡れ、全損を補償(端末交換で対応)
- 土日祝日も受付
「端末保証オプション」の月額料金は、380円とリーズナブル。端末交換時の利用者負担額は、1回目が5,000円、2回目が8,000円となっています。続いて、UQ mobileの「端末補償サービス」の内容をチェックしてみましょう。
- 月額料金…380円
- 自然故障、部分破損、水濡れ・全損を補償(端末交換で対応)
- 盗難/紛失に対して購入代金を10,000補填
「端末補償サービス」の月額料金も、380円と安価。端末交換にともなって生じる利用者負担額は、最大5,000円です。ちなみに、端末の交換は何度でも利用可能となっています。
以上のように、他MVNOの保証サービスの月額料金は楽天モバイルより安価。ただし、やはり自社以外で購入した端末の保証までは行っていません。好きな端末を保証付きで利用できるという点で、楽天モバイルは他社を一歩リードしているといってよいでしょう。
楽天モバイルの端末保証はどんな人におすすめか
楽天モバイルの端末保証サービスは、以下のような方におすすめです。
楽天モバイルの端末保証がおすすめな人
- うっかり端末を落とすことの多い人
- メーカー保証の切れた端末を大切に使いたい人
- 子どもに端末を持たせたい人
上記のいずれかに当てはまる方は、楽天モバイルの端末補償への申し込みを検討してみるとよいでしょう。「本当に加入が必要か?」と迷ったら、本ページをもう一度読み返してサービス内容を再確認してください。
また、楽天モバイルの端末補償に加え、電話サポートも受けられるあんしんリモートサポートパックというセットになったサポートサービスもありますので併せてご確認ください