楽天モバイルには、「楽天でんわ」と「5分かけ放題 by 楽天モバイル」というオプションが用意されています。名前を見てわかるように、両者はどちらも通話に関するオプションサービス。上手に使いこなせば、通話料の節約に役立ってくれます。
2つのオプションが気になってきましたか?料金プランも気になりますが、こちらのページでは音声通話SIMの機能や利用方法など詳しいサービス内容を、本ページでチェックしてみましょう。通話付き機能が気になって楽天モバイルへの乗り換えを躊躇している方も、ぜひ目を通してみてください。
楽天でんわとかけ放題の概要
早速、「楽天でんわ」と「5分かけ放題 by 楽天モバイル」の概要をチェックしていきましょう。まずは、楽天でんわのサービス内容から。
ごく簡単にいうと、楽天でんわは固定電話や携帯電話への通話料が半額になるオプションです。通常、楽天モバイルで通話を行うと、30秒あたり20円の通話料が発生します。他方、楽天でんわを使って通話を行った場合の通話料は、30秒あたり10円です。
仮に5分間の通話を行うとすれば、楽天でんわ有りと無しで料金が100円変わる計算になります。大きな金額差ですね。このように節約に役立つオプションでありながら、楽天でんわの利用料金は無料。専用通話アプリをインストールするだけで、利用できてしまいます。
…とここで、「なんでそんなに通話料が安くなるの?」という疑問が上がりそうですね。この点は次節で詳しく解説します。続いて、5分かけ放題のサービス内容をチェックしてみましょう。
5分かけ放題も、楽天でんわに関連したオプションです。サービス内容は、5分間までの通話が、何度でも無料で行えるというもの。5分を超える通話には30秒につき10円の通話料が発生しますが、5分経過前に電話を切ってかけ直せば通話料は発生しません。
なお、5分かけ放題は有料オプションとなっており、月額料金は850円です。
楽天でんわと5分かけ放題のメリット・デメリット
楽天でんわと5分かけ放題は、同時に利用することができません。オプション選択の参考となるように、ここで両者のメリット・デメリットをチェックしておきましょう。
メリット |
デメリット |
|
---|---|---|
楽天でんわ |
通話料が半額になる | 無料通話が用意されていない |
5分かけ放題 |
5分までなら何度でも 無料で通話できる |
月額料金分以上の 通話を行わないと損する |
特に注意しておきたいのは。5分かけ放題のデメリット。850円分以上の通話を行わなかった場合は、無駄に高い料金を支払うことになってしまいます。以上の点を踏まえたうえで、次節では楽天でんわの安さの秘密に迫ってみることにしましょう。
通話回線の種類
楽天でんわの安さの秘密を知るには、まず格安スマホの通話機能について理解する必要があります。簡単にかみ砕いて説明しますので、ぜひチェックしてみてください。
IP電話と通話回線の違い
格安スマホに採用される通話機能は、大別するとこうなります。
- IP電話
- 通話回線での通話
IP電話
IP電話とは、インターネット回線を通じて音声通話を行う技術を使った電話です。この技術は「VoIP」と呼ばれます。
また、同じIP電話アプリ同士で無料通話を行える点も、IP電話の特徴です。メジャーなSNSアプリであるLINEにも、この機能が備わっています。
以上のようなメリットをもつIP電話ですが、デメリットがないわけではありません。
- 通常の090番号や080番号ではなく、050番号になる
- 緊急通報が出来ない
まず、多くのIP電話は、新たに取得した050の通話番号を使って通話を行います。言い換えると、090番号や080番号では通話を行えないのです。このため、事前に通話相手に050番号を伝えておかなければ、不審な電話と思われてしまうかもしれません。
また、110番や119番といったダイヤルに電話をかけられない点も、IP電話のデメリットです。いざというときに緊急通報できず、不便を感じる可能性があります。もう1つ言及しなければならないのが、通話品質。IP電話の通話品質は、インターネット回線の状態に大きく左右されてしまいます。
通話回線
次に、通話回線について見てみましょう。こちらは携帯電話でおなじみの回線なので、説明はほとんど不要かもしれませんね。通話回線は、その名のとおり通話を専門とする回線です。SMSの送信にも使われますが、基本的には音声通話用の回線と思ってください。
ただし通話回線は、基本的に無料で利用できません。無料で通話を行いたい場合は、キャリアのかけ放題プランのような有料サービスに加入する必要があります。
通話回線の中でもプレフィックス方式もある
通話回線には、プレフィックスという方式で通話を行う機能が備わっています。この機能に関する説明は、楽天でんわの機能を理解していただくために外せません。
プレフィックス方式
プレフィックス方式とは、電話番号の前に「プレフィックス番号」を付け加えて発信を行う通話方式。プラスするプレフィックス番号の種類によって、特定の動作をともなう発信を行えます。
たとえば、「184」もプレフィックス番号の1つです。このほか、国際電話を行う際に使用する「010」も、プレフィックス番号の1つになります。聞きなじみがないかもしれませんが、プレフィックス番号は日常的に使われているのです。
楽天モバイルの楽天でんわはどちら?
さていよいよ、楽天でんわの安さの秘密を解き明かすことにしましょう。楽天でんわは、通話回線を利用した電話サービスです。楽天でんわを通じて電話をかけると、自動的に「0037-68」というプレフィックス番号が電話番号の頭に追加されます。
特定の回線とは、楽天グループの電気通信事業者「楽天コミュニケーションズ」の独自回線のこと。ユーザーがこの回線を利用して通話を行うと、通話料が半額になる一方で、楽天コミュニケーションズには高い粗利益が入ります。つまり、ユーザーだけでなく、楽天側も高い利益を得られるシステムとなっているのです。
楽天でんわのプレフィックス方式は通話品質が安定
楽天コミュニケーションズの回線は国内に敷かれているため、安定した通話品質をユーザーに届けることができます。以上の点を、簡単にまとめておきましょう。
- 楽天でんわは通話回線を使った電話サービス
- プレフィックス番号を利用するために電話料金が安くなる
- 国内の回線を利用するので通話品質が安定する
なお、追加されたプレフィックス番号は、電話相手には伝わりません。相手先のディスプレイには、通常どおりの電話番号が表示されるのでご安心ください。
楽天でんわ利用の流れ
ここで、楽天でんわ利用開始までの流れをご紹介しておきましょう。
楽天でんわの利用方法
- 楽天でんわホームページでの利用登録
- 通話アプリのダウンロード
- 利用開始
利用登録には、楽天のユーザーIDやパスワードが必要となります。通話アプリのダウンロードは、「Google Play」もしくは「App Store」から行ってください。アプリの利用料は、もちろん無料です。
viberも利用できるようになった
楽天モバイルユーザーは、楽天でんわだけでなく「viber」という通話アプリを利用できます。こちらは、IP電話として利用できるアプリケーション。viber同士での無料通話のほか、050番号での発信にも対応しています。気楽な無料通話を行いたいときに、重宝しそうですね。
通話時間と料金はお得か
楽天モバイルユーザーは、楽天でんわだけでなく「viber」という通話アプリを利用できます。こちらは、IP電話として利用できるアプリケーション。viber同士での無料通話のほか、050番号での発信にも対応しています。気楽な無料通話を行いたいときに、重宝しそうですね。
1回の通話時間と月の回数の他社比較
大手キャリアでは、以前から通話定額サービスを用意しています。また、通話に関するサービスを強化するMVNO会社は増えつつあります。ここでは、楽天モバイルの5分間かけ放題に類似した他社サービスを取りあげて、比較を行ってみることにしましょう。まず、以下をご覧ください。
月額利用料金一覧表 |
無料通話時間 |
無料時間経過後の料金 |
月額料金 |
---|---|---|---|
ドコモ カケホーダイライト |
5分/通話 | 30秒20円 | 1,700円 |
au スーパーカケホ |
5分/通話 | 国内通話30秒20円 | 1,700円 |
ソフトバンク 通話定額ライト |
5分/通話 | 30秒20円 | 1,700円 |
IIJmio | 5分/通話 | 30秒10円 | 830円 |
BIGLOBE | 3分/通話 | 30秒10円 | 650円 |
OCNモバイルONE | 5分/通話 | 30秒10円 | 850円 |
ここにあげた各社の通話料無料サービスは、どれも回数無制限で利用可能です。3大キャリアのプランは、内容と料金ともに各社横並びとなっていますね。ちなみに、キャリアのプランはどれも2年契約となっており、解約違約金は各社9,500円です。
こうした情報は、「かけ放題 解約手数料」といったワードで検索した方も多いかもしれませんね。
MVNO各社のかけ放題サービスも、全社ほぼ同様の内容となっています。料金設定も、楽天モバイルの5分かけ放題とほぼ同じです。BIGLOBEだけは、1回あたりの無料通話時間が3分と短め。しかしその分、月額基本料金は安くなっています。
1回5分無制限と1か月60分コミコミどちらがお得?合う人は?
先に名前が登場したBIGLOBEのスマホには、60分の通話を月額650円で利用できる「通話パック60」というSIMプランが用意されていて申し込み出来ます。一見かなり安価に見えるこのサービス、5分かけ放題と比べてどちらがお得なのでしょうか。
通話パック60では、60分を超過した場合の通話料金を30秒10円としています。仮に月に70分の通話を行ったとすれば、通話料は650円+超過分200円で850円。すなわち、5分かけ放題と同額の料金が発生する計算になります。
つまり、月に70分以上の通話を行うなら、5分かけ放題を選ぶのがポイントです。日割りにして1日2.4分の通話を行う方であれば、5分かけ放題に加入したほうが、通話料が安くつきます。
楽天でんわでできること・できないこと
無料で使えてお得な楽天でんわにも、できること、できないことがあります。日常的に利用する機会の多い電話機能を例にあげて、楽天でんわにできないことおよび、機能の限界をカバーする方法をチェックしてみましょう。
かけられない電話番号は?
楽天でんわでの注意点としては、通話プランながら緊急ダイヤルやフリーダイヤル、ナビダイヤルに電話をかけられないことが挙げられます。110番や119番に通報する際は、何らかの対策を講じる必要があります。
かけられない番号への対応策は?
楽天でんわでは無理でも、一般的な通話アプリであれば緊急ダイヤルやフリーダイヤル、ナビダイヤルに電話をかけることができます。緊急通報を行う際は、標準でインストールされている電話アプリを利用するとよいでしょう。
着信拒否はできる?その方法
楽天でんわは、基本的に通話専用のアプリケーションです。このため、アプリで着信拒否設定を行うことはできません。とはいえ、楽天モバイルのサービスで、着信拒否を設定することは可能です。設定手順を確認してみましょう。
着信拒否の設定方法
- 通常の電話アプリで「144」に発信
- ガイダンスに従って「ネットワーク暗証番号」を入力
- 続けてガイダンスに従い、「1」をプッシュ
- ガイダンスに従い、「2」をプッシュ
- 電話番号の登録を促されるので、着信拒否設定する電話番号を入力
- 「設定しました」という音声を聞いてから「#」をプッシュ
- 電話を切る
以上の操作で、着信拒否の設定が完了します。
着信履歴からコールバックはできる?
楽天モバイルの通話simには、着信履歴を表示する機能が備わっています。コールバックを行う場合は、着信履歴から電話番号を選んでタップしてください。すると、発信方法を選択するウインドウが開きます。選べる発信方法は、以下の3つです。
- 楽天でんわで発信
- 003768をつけずに発信
- 184をつけて楽天でんわで発信
「003768」を付けずに発信すると、楽天でんわを介さない発信となります。この場合は通常の通話料が発生するので、ご注意ください。
楽天でんわのかけ放題はどんな人におすすめ?
本ページの最後に、楽天でんわの5分かけ放題がどんな方におすすめなのかチェックしておきましょう。先にご紹介したように、5分かけ放題の月額料金は850円です。一方、楽天でんわの通話料は30秒10円でしたね。
5分かけ放題がお勧めな人
- 1ヶ月間に42分30秒以上の通話を行う人
- クリアな音声で上記時間以上の通話したい人
というのも、楽天でんわで42分30秒の通話を行うと、850円の通話料が発生するからです。また、あまり通話を行わない人や、viberやLINEの通話品質で満足できるのなら、5分かけ放題への加入は必要ないと言えます。
まとめ
楽天でんわは口コミでも評判の高い無料アプリです。あまり通話を行わない方も、インストールしておいて損はありません。もしインストール後に必要ないと感じたら、「楽天でんわ 解約」と検索して解約方法を調べてみてください。楽天でんわに契約期間はありません。違約金なしで、簡単に解約できますよ。