マイレージSIMのSIMサービス利用で貯まるのは、ANAマイレージクラブのマイル。積算マイルは、通常のマイルと同様に航空券や電子マネーなどに交換できます。ポイントサイトで頑張っている陸マイラーさんも積算マイルにマイレージSIMを加えるとマイル積算も加速しそうですね。新規入会でも「入会ボーナスマイル」がプレゼントされます。
この記事の目次
マイレージSIMの基本的情報
格安スマホでのマイレージの還元率や貯め方については次節でご紹介するとして、ここではマイレージSIMの基本的なスペックをチェックすることにしましょう。まず、以下のデータをご覧ください。
通信速度 |
下り最大300Mbps・上り最大50Mbps |
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通話料金 |
20円/30秒 |
SMS送信料金 |
3円~30円/1通 |
国際SMS送信料金 |
50円~500円/1通 |
マイレージSIMは、楽天モバイルと同じくドコモ回線を利用する格安simの契約プランです。LTE回線に対応しており、下り最大300Mbpsの高速通信を可能としています。ただし上記通信速度は、あくまで理論上の数値。実際の通信速度は、よくて20Mbps程度だと思ってください。
通話料金やSMS送信料金は、他MVNOのサービスと変わりません。ちなみに通話料については、「楽天でんわ」や「DMMトーク」といったアプリを利用することで半額に抑えられます。
続いて、マイレージSIMの利用月額料金をチェックしてみましょう。
3.5GB
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データ専用プラン |
1,100円/月 |
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SMS機能付プラン |
1,240円/月 |
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音声機能付プラン |
1,800円/月 |
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7GB
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データ専用プラン |
2,100円/月 |
SMS機能付プラン |
2,240円/月 |
|
音声機能付プラン |
2,800円/月 |
マイレージSIMで契約できるのは、3.5GBと7GBという各プラン通信データ量の2種類です。それぞれにデータ専用SIMプラン、SMS機能付きプラン、音声機能付プラン(音声SIM)が用意されています。マイレージSIMの料金は、格安SIMとしては特別安価ではありません。とはいえ、大手キャリアから乗り換えた場合には、大幅に携帯電話料金は節約できます。
次に、マイレージSIMの申し込み方法をチェックしてみましょう。マイレージSIMの契約は、以下のいずれかの方法で行えます。
- So-net特設ページから申し込む
- ANAショッピングA-styleで申し込む
- ヤマダ電機の取扱店舗 or ウェブショップで申し込む
- ヨドバシカメラの取扱店舗 or ウェブショップで申し込む
上記申し込み方法のうち、おすすめは「A-style」での申し込みです。A-styleは、ANAマイレージモールの対象店舗。ANAマイレージモール経由でアクセスすると、利用額100円につき1マイルをゲットできます。もちろん誤ったANAマイレージクラブお客様番号を登録した場合には、マイルは付与されないのでご注意ください。
さらに、ANAカードでマイレージSIMを決済した場合は、利用額100円につき最大3マイルをゲット可能です。少しでもマイルを貯めたいなら、A-styleで申し込みを行うとよいでしょう。なお、マイレージSIMの支払方法は、クレジットカード払いのみとなっています。
マイレージを貯める方法
マイラーのみなさま、お待たせいたしました。マイレージSIMでマイレージを貯める方法を、詳しくご紹介いたしましょう。マイレージSIMの利用で貯まるマイレージには、「基本マイル」と「残パケットマイル」の2種類があります。
基本マイル
基本マイルは、マイレージSIMを契約している限り、無条件で契約月から毎月付与されるマイレージです。付与されるマイル数は、毎月20マイルとなっています。
ちなみに1マイルの価値は、現金にして1~2円。つまり20マイルには、20~40円ほどの価値があります。なぜ価値に幅があるのかというと、交換先によってレートが変わるからです。通常は、電子マネーに交換する場合よりも航空券に換えた場合の方が、1マイルあたりの価値が高くなります。
残パケットマイル
続いて、残パケットマイルについて。こちらは、使い切れなかったパケット通信量に応じて、マイレージが付与されるシステムになります。マイレージの付与レートは、残りデータ通信量300MBにつき10マイルです。1マイルの価値は1~2円ですから、300MBのデータを10~20円で買い取ってもらえる計算になりますね。
ただし残パケットマイルには、1つの注意点があります。たとえば7GBプランを利用していて、3.6GBのデータ通信量が余ったとしましょう。
- 消費データ通信量は、単純計算で3.4GB
- 付与されるマイル 120マイル
120マイルを現金に換算すると、その価値は120円~240円。これだけのマイルがもらえると、ちょっと得した気分になりますね。ただ、これに気をよくして「もっともらえるマイルを増やそう!」と、データ通信の節約に走るのは考えもの。データ通信量を3.5GB以内に抑えるなら、3.5GBプランを契約し直した方がお得です。
残パケットマイルは面白いシステムですが、データ通信に必要なパケット容量の無理な節約に走ると損をする可能性があります。とはいえ、マイルはちょっとでも多く貯めたいところ。マイレージSIMを利用する際は、Wi-Fiスポットや自宅Wi-Fiなどを活用して、無理のない範囲でデータ通信容量を節約してください。
クレジットカードとの比較
前節までにご紹介したとおり、マイレージSIMを利用するとANAマイルを貯めることができます。ただ、マイレージSIM以外の格安SIMを契約している方も、ちょっとした工夫でマイルを貯めることは可能です。マイルが貯まるクレジットカードを支払に利用すれば、ほかの格安SIMでもマイレージを貯めることができるのです。
では、マイレージSIMを利用する場合と、マイレージが貯まるクレジットカードを利用する場合とでは、どちらの方がお得なのでしょうか。疑問の答えを知るために、以下の設定で簡単なシミュレーションを行ってみましょう。
支払に利用するカード |
ANA JCBカード ZERO |
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契約する格安SIM |
NUROモバイル |
契約するプラン |
SMS・通話付き7GBプラン |
「ANA JCBカード ZERO」は、年会費無料の人気クレジットカードです。カードの利用で貯めたポイントは、手数料なしでANAマイルに交換可能。ポイントはカード利用額1,000円につき1ポイント付与され、1ポイントは5マイルに交換できます。
一方、NUROモバイルは、So-netが提供する格安SIMです。マイレージSIMとは、兄弟のような関係といえますね。上記の設定でNUROモバイルを1ヶ月間利用すると、どの程度のマイルを獲得できるのでしょうか。
NUROモバイル利用料 |
2,400円/月 |
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獲得できるポイント数 |
2ポイント |
ポイント交換で獲得できるマイル数 |
10マイル |
上記設定で獲得できるマイル数は10マイル。マイレージSIMの基本マイルの半分です。マイレージの貯めやすさでは、ANA JCBカード ZEROよりもマイレージSIMの方が上といえそうですね。
ただ気になるのは、NUROモバイルとマイレージSIMの料金差。同じ音声通話付き7GBプラン同士で比べると、NUROモバイルの料金の方が400円安く設定されています。マイレージSIMが絶対的にお得な格安SIMなのかと問われると、微妙なところです。
なお、先に述べたとおり、マイレージSIMの支払方法はクレジットカード払いとなっています。もちろん、ANA JCBカード ZEROのようなカードを支払に利用することも可能です。より効率的にマイルを貯めたいなら、マイレージSIMの支払にはマイルの貯まりやすいクレジットカードを利用することをおすすめします。
契約前に押さえておきたい注意点
マイレージSIMには、契約前に押さえておくべき注意点がいくつかあります。以下をご覧ください。
- 業界最安料金ではない
- 端末のセット販売はなし
- 3日間の通信速度制限がある
- 通話SIMには最低利用期間が定められている
- MNP転出手数料が高額
先のNUROモバイルの料金を見てもわかるとおり、マイレージSIMの料金は業界最安ではありません。音声通話付き7GBプランであれば、NUROモバイルやロケットモバイルの2,400円が最安です。
付け加えていうと、So-netでは通信量500MBまで無料で使える「0 SIM」という格安SIMの提供も行っています。節約だけに的を絞るなら、ほかの格安SIMを選んだ方がよいでしょう。
次に、マイレージSIMで利用する端末について。マイレージSIMには、セット端末が用意されていません。このため、スマホやタブレットなどSIMロック解除された端末は、自分で別途用意する必要があります。マイレージSIMでの動作が確認されているSIMフリー端末については、So-netのホームページでご確認ください。
続いて、3日間のデータ通信制限について見てみましょう。ほとんどの格安SIMは、直近3日間で利用できる高速データ通信量が制限されています。マイレージSIMも例にもれません。データプランごとに、以下の速度制限が設けられています。
3.5GBプラン |
420MB/3日間 |
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7GBプラン |
840MB/3日間 |
上記の通信量を超えて高速データ通信を行うと、通信速度が200kbpsに制限されます。200kbpsといえば、通常のネット閲覧もままならない通信速度です。3.5GBプランは特に制限が厳しいので、高速データ通信の利用に注意しなければなりません。
ここからは、契約上の注意点となります。まず、マイレージSIMには、契約開始月を含む12ヶ月間の最低利用期間が設けられています。この期間内に解約すると、5,200円の違約金を請求されるのでご注意ください。また、利用開始月に解約の場合も、1ヶ月分の月額基本料金が発生します。
続いて、MNP転出手数料について。マイレージSIMは、MNP転出を可能としています。ただし、MNP転出手数料は7,000円と高額です。ちなみに格安SIMのMNP転出手数料は、3,000円に設定されることが一般的。マイレージSIMのMNP転出条件は、やや厳しいと言わざるを得ません。
マイレージSIMはこんな人におすすめ
注意点の多いマイレージSIMですが、独自の魅力があるサービスであることは間違いありません。本文の締めくくりとして、どんな人がマイレージSIMの利用に向いているのかチェックしておきましょう。
マイレージSIMがおすすめな人
- 飛行機に搭乗する機会が多い人
- 自宅にWi-Fi環境が整っている人
- Wi-Fiスポットを利用する機会が多い人
旅行や出張で頻繁に飛行機を利用する方なら、マイレージSIMで貯めたマイレージは、旅費の節約に役立ってくれます。自宅にWi-Fi環境が整っている方にも、マイレージSIMはおすすめです。在宅時はWi-Fiを利用するように習慣づけることで、マイレージSIMのデータ通信量を無理なく節約できます。
さらに、外出先でWi-Fiスポットを利用する機会が多いなら、より効率的にデータ通信量を節約可能。不自然なデータ節約をともなうことなく、マイレージをゲットできます。
以上の条件にマッチする方であれば、マイレージSIMの利用を検討して損はありません。なお、マイレージの価値は1~2円と記しましたが、交換先によっては1マイルが30円以上の価値を発揮する場合があります。マイレージの使い方を極めれば、マイレージSIMのお得さも格段にアップすることでしょう。