大手キャリアからMVNOに乗り換える際、特に気になる点の1つは、通信速度が遅くなるんじゃないの?という点です。
確かに、MVNO(格安スマホ会社)に乗り換えると、通信速度は遅くなります。ただ、乗り換え先の会社によって、通信速度はかなり速かったり、まぁまぁだったり、使い物にならないほど遅かったりと様々です。
そこで、当サイトでは実際にイオンモバイルのSIMを契約して、速度を計測してみました。計測場所は管理人在住の東京都多摩地区です。
イオンモバイルの通信速度は速いのか、それとも遅いのか、快適に使えるレベルかどうか検証します!
タイプ1とタイプ2、両方の通信速度を計測しましたので、イオンモバイルのデータSIMを契約する際、タイプ1とタイプ2どちらを選ぶか決める際の参考にしてください。
この記事の目次
測定条件
今回、通信速度の測定に利用したアプリは、株式会社イードの「RBB SPEED TEST」です。
端末は、ASUS ZenFone 3 Maxを利用しました。
測定日時は、2017年9月11日(月曜日)の
・午前8:10-8:30、
・午前10:00-10:20、
・午後12:10-12:30、
・午後15:00-15:20、
・午後18:20-18:40、
・午後21:00-21:20、1日6回です。
より正確な結果を得るために、それぞれの時間に3回ずつ計測して、その平均値をご紹介します。
通信速度計測結果の項目について
通信速度の計測結果には、下りスピード(単位:Mbps)、上りスピード(単位:Mbps)、ping(単位:ms)の3つの項目がありますが、この中で特に重要な項目は下りスピードです。
下りスピードは、YouTubeなどで動画を見る、メッセージを受信する、WEBページを閲覧する、アプリをダウンロードする、など情報を受け取る際の通信速度ですが、上りスピードは、メールを送信したり、YouTubeなどに動画をアップロードしたりするなど、情報を発信する際の通信速度です。
ほとんどの人にとっては、ネットで情報を発信する回数よりも、情報を受け取る回数の方が圧倒的に多いと思いますので、ネットを利用する際の快適さを左右するのは、主に下りスピードの速さです。
また、pingとは、スマートフォンなどの端末からサーバーへデータを送信してから、サーバーから端末に応答が返ってくるまでの応答速度です。オンラインゲームやIP電話など、リアルタイム性が必要になる通信を頻繁に利用する場合は、pingの値が小さいかどうかも重要な項目です。IP電話を利用する場合は、一般的にpingが100ms以下であれば応答に遅延が発生せず、通常の電話と変わりなく快適に通話できると言われています。
イオンモバイルのIP電話サービス、「050かけ放題」を利用する人にとっては、pingが100msを下回っているかどうかも重要な項目になりますが、この検証では下りスピードの速さだけに注目します。
スマホを快適に利用できる通信速度(下りスピード)とは?
まず、計測結果をご紹介する前に、どのくらいの通信速度が出ていればスマホを快適に利用できるのか、通信速度の基準をご紹介します。
当サイトが各MVNOの通信速度が速いか?遅いかを判断するうえで基準としているのは、0.5Mbpsと、4.0Mbpsという2つの速度です。
一方、4Mbpsは、スマートフォンでYouTubeの超高画質動画もストレスなく(止まることなく)再生できる通信速度です。
この、0.5Mbpsと、4.0Mbpsという2つの速度基準を参考に、以下の測定結果をご覧ください!
イオンモバイル SIMタイプ1の通信速度計測結果
まず、東京都多摩地区で計測したイオンモバイルのSIMタイプ1の通信速度計測結果をご紹介します。イオンモバイルで音声SIMを契約する場合は、すべてSIMタイプ1になります。
▼イオンモバイル SIMタイプ1の通信速度計測結果
|
下りスピード(Mbps) |
上りスピード(Mbps) |
ping(ms) |
8:10-8:30 |
2.88 |
23.95 |
59 |
10:00-10:20 |
30.1 |
9.12 |
50 |
12:10-12:30 |
0.27 |
6.09 |
73.5 |
15:00-15:20 |
49.42 |
24.49 |
47.33 |
18:20-18:40 |
2.33 |
15.01 |
43.67 |
21:00-21:20 |
3.31 |
9.97 |
51 |
※下り、上りスピードは数値が高い方が快適、pingは数値が低い方が快適
下りスピードの項目を見ると、通信が最も混雑するお昼の休憩時間帯に、0.5Mbpsを下回ってしまっています。お昼の時間帯は、低画質に設定してもイオンスマホで動画を見ることは難しいです。またWEBページの表示もかなり遅く感じます。ただ、この時間帯は他のほとんどのMVNOでも同じような通信状況ですので、格安SIMを利用するうえでは、お昼の通信速度が遅くなることは正直なところあきらめるしかないです。
そのほかの時間帯では、下りスピードがすべて0.5Mbpsを上回っています。比較的通信が混雑する午前8:00-8:20(朝の通勤時間帯)、午後18:20-18:40(帰宅時間帯)、午後21:00-21:20(帰宅後にネットを利用する時間帯)は4Mbpsを若干下回ってしまっていますので、この時間帯に超高画質の動画を視聴するのは難しいですが、低画質での動画再生、WEBページの閲覧などであれば快適に利用できるでしょう。
午前10:00-10:20、午後15:00-15:20の、比較的通信がすいている時間帯は、どちらも30Mbpsと高速です。
イオンモバイル SIMタイプ2の通信速度計測結果
次に、東京都多摩地区で計測したイオンモバイルのSIMタイプ2の通信速度計測結果をご紹介します。
イオンモバイルでデータSIMを契約する場合、SIMタイプ1とタイプ2から選ぶことができますが、通信速度はどちらの方が速いのでしょうか?
▼イオンモバイル SIMタイプ2の通信速度計測結果
|
下りスピード(Mbps) |
上りスピード(Mbps) |
ping(ms) |
8:10-8:30 |
2.68 |
15.83 |
54 |
10:00-10:20 |
3.72 |
0.41 |
80.33 |
12:10-12:30 |
0.18 |
9.8 |
50.5 |
15:00-15:20 |
4.8 |
0.41 |
82 |
18:20-18:40 |
0.22 |
5.66 |
55.5 |
21:00-21:20 |
0.37 |
0.4 |
51 |
※下り、上りスピードは数値が高い方が快適、pingは数値が低い方が快適
下りスピードに注目すると、午後12:10-12:30、午後18:00-18:40、午後21:00-21:20の3つの時間帯で、通信速度が0.5Mbpsを下回ってしまっています。そのほかの時間でも、スマホでYouTubeの超高画質動画も止まることなく再生できる、4Mbps以上の速度が出たのは、午後15:00-15:20だけという結果になりました。
SIMタイプ2では、下りスピードの項目で1度も2ケタ台が出ませんでした。残念な結果です…。
まとめ 通信速度を重視するならSIMタイプ1がおすすめ
東京都多摩地区で、イオンモバイルのSIM、タイプ1とタイプ2の通信速度を計測した結果は、タイプ1の方が通信速度が速いという結果になりました。
都内で計測できずすみません…。また計測でき次第アップしたいと思いますのでお楽しみに!
イオンモバイルでデータSIMを契約する場合、タイプ1とタイプ2のどちらを選択するか選ぶことができます。SIMタイプ1とタイプ2の機能の違いは以下の通りです。
▼イオンモバイルのデータSIM、2つのタイプ
主な機能の違い |
タイプ1 |
タイプ2 |
価格 |
本体価格:3,000円 |
本体価格:3,000円 |
サイズ |
標準、マイクロ、ナノ |
標準、マイクロ、ナノ |
初月データ通信容量 |
日割りあり |
日割りなし |
低速時(200kbps)通信制限 |
3日間366MB |
なし |
高速容量追加購入 |
1GB480円、回数上限なし |
1GB480円、月6回まで |
SIMタイプ1では低速時、3日間の通信速度制限があるのに対し、タイプ2では通信速度制限が一切ありません。
ラジオの聴取やIP電話の利用などは低速時の速度(200kbps)でも問題なく利用できますので、スマホでラジオやIP電話などを多く利用する方は、”タイプ2を選んで通信速度を低速にしておけば無制限で利用できる!”と思ってついタイプ2を選びたくなるかもしれません。
でも、高速時の通信速度は、タイプ1よりもタイプ2の方が遅くなる、ということは覚えておきましょう。タイプ2でも、もっと帯域増強(借りている回線を買い増すこと)をして、通信速度を上げて欲しいところですね。