実際、auと比べるとUQモバイルの料金は安価です。ただ、auキャリア版のiPhoneシリーズだからといって、必ずしもUQモバイルのSIMカードで完全に機能するわけではありません。一定の条件を満たさなければ、au版スマートフォンであってもUQモバイルの端末として利用できないのです。
では、どういった条件を満たせば、手持ちのauプランで利用してきたiPhoneをUQモバイルで運用できるのでしょうか。本ページで、疑問の答えに迫ってみましょう。auとUQモバイルの月額料金の料金差についても触れるので、プラン契約を申し込み前にぜひご一読ください。
この記事の目次
auのiPhoneなら全部使える?
au系格安スマホのUQモバイルなら、現在までに販売されたすべてのau版iPhoneが対応機種として利用できそうな感じがしますよね。ところが、UQモバイル公式サイトにアップされている動作確認端末一覧に掲載されている対応端末は、以下の4モデルのみとなっています。
- iPhone6
- iPhone6s
- iPhone6s Plus
- iPhone SE
iPhone7を除くiPhone6以降のモデルは、UQモバイルでの動作が確認されています。
一方、iPhone4sや5といった古いモデルは、動作確認済み端末に含まれていません。現在も利用者の多い、iPhone5sも同様です。
まず、iPhone4sはLTE回線に対応していないため、UQモバイルのSIMカードではインターネットに接続できません。というのもau系格安SIMは、基本的にLTE回線でデータ通信を行うからです。
iPhone5や5sについては、「UQモバイルのSIMカードで利用できている」とする情報をネット上で確認できます。ただ、SMSやテザリングが利用できないとする情報が多く、キャリアと同様に使えるわけではないようです。
最新版iPhoneであるiPhone7も、動作確認済み端末に含まれていません。とはいえ、ネットをチェックすると、「SIMフリー版iPhone7をUQモバイルで利用している」とする情報が散見されます。
ただし、「テザリングを利用できない」という情報も多いことから、UQモバイルではiPhone7の全機能を利用できないと判断するのが妥当です。
また、理由は後述しますが、本ページを執筆している2017年2月10日時点では、au版iPhone7をUQモバイルで利用できません。
モデルによってSIMカードのタイプが異なる
前節でご紹介したiPhone6以降の4モデルであれば、UQモバイルのSIMカードで問題なく利用できます。ただし、モデルによって選ぶべきSIMカードのタイプが異なるので要注意です。
UQモバイルのiPhone用SIMカードにはナノSIMとマルチSIMカードの2種類があり、モデルに適したカードを選ぶ必要があるのです。
ここで、au版iPhoneの各モデルに適したSIMカードタイプをチェックしてみましょう。
iPhone6 |
nano SIM(専用) |
---|---|
iPhone6 Plus |
nano SIM(専用) |
iPhone6s |
マルチSIM |
iPhone6s Plus |
マルチSIM |
iPhone SE |
マルチSIM |
iPhone6と6Plusのみ、適するSIMカードが「nano SIM(専用)」となっていますね。一方、iPhone6s以降のモデルに適するSIMカードは、「マルチSIM」となっています。iPhone6と6s以降のモデルに、どのような違いがあるのでしょうか。
答えは、公式SIMロック解除対応の有無。
…とここで、勘のいい方ならお気付きかもしれませんね。そう、iPhone6s以降のモデルは、SIMロックを解除しないとUQモバイルのSIMカードで利用できないのです。
VoLTEの利用にSIMロック解除は必須
iPhone6s以降のモデルに利用できるマルチSIMは、VoLTE専用のSIMカードです。VoLTE(ボルテ)とは、LTE回線を使って高品質な音声通話を行う機能。3G回線と比べて、クリアな音質で通話を行えます。
iPhone6以降のモデルであれば、VoLTEに対応しています。ただし、UQモバイルのSIMカードでVoLTEを利用するには、端末のSIMロックが解除されていなければなりません。このため、SIMフリー版以外の端末をマルチSIMで機能させるには、SIMロック解除が必要なのです。
この条件は、au版iPhoneでも同じです。なぜ、au版までSIMロック解除が必要なのかはわかりません。「UQモバイルがそういう仕様になっているのだ」と思っておいてください。
iPhone6・6PlusはVoLTEに対応していますが、前述のとおりSIMロックを解除できません。このため、UQモバイルのマルチSIMには未対応となっています。マルチSIMを利用できない代わりに、専用のnano SIMが用意されているのです。
ちなみにau版iPhone7は、本ページを執筆している2017年2月10日時点ではSIMロック解除を行えません。というのも、最新端末であるiPhone7は、公式SIMロック解除の条件を満たせないのです。このためau版iPhone7は、UQモバイルの端末として利用できません。なお、公式SIMロック解除の条件については、後ほど詳しくご紹介します。
マルチSIMはかなり便利
iPhone6s以降のモデルにUQモバイルのマルチSIMを挿せば、VoLTEだけでなくMMSやテザリングも利用できます。MMSとは、いわゆるキャリアメールです。
テザリングについては、多くの方がご存じのことと思います。念のため説明しておくと、テザリングとは、スマホからPCやタブレットなどにインターネット通信を供給できる機能です。
これらの機能を利用できるようになるほか、UQモバイルのマルチSIMにはiPhoneの初期設定を簡易化する機能が備わっています。マルチSIMを利用すれば、APN構成プロファイルのインストールなしでiPhoneを通信可能な状態にできるのです。
APN構成プロファイルとは、端末がアクセスする回線を定義するファイルです。通常、iPhoneを格安SIMで運用するには、APN構成プロファイルをインストールしなければなりません。
このインストール作業は、Wi-Fi接続が必要となるため少々面倒。しかしマルチSIMならば、手間のかかる作業をまるごと省略できます。この点は、スマホの操作に慣れていない方にとって、かなりうれしいポイントなのではないでしょうか。
nano SIM(専用)も優れている
iPhone6・6PlusのiPhone専用SIMカードであるnano SIM(専用)も、APN構成プロファイルのインストールなしで利用可能です。「専用」と銘打っているだけのことはありますね。また、nano SIM(専用)は、テザリングの利用にも対応しています。ただし、音声通話は3G回線のみ。先にご紹介したとおり、VoLTEは利用できません。
機能は少し制限されますが、nano SIM(専用)を契約すればSIMロック解除なしでau版iPhone6・6Plusを運用できます。手間をかけずに利用できるという点では、マルチSIMよりnano SIM(専用)の方が優れているといってよいでしょう。
SIMロック解除の条件と方法
前節でお伝えしたとおり、au版iPhoneの多くは、SIMロックを解除しなければUQモバイルのSIMカードで利用できません。auでは、公式SIMロック解除の条件を、以下のように定めています。
- 2015年5月1日以降に発売された端末であること
- auで購入した日から180日以上が経過している端末であること
以上の条件を満たすiPhoneであれば、新品、中古品を問わずSIMロック解除に応じてもらえます。ただし、最新機種であるiPhone7は、少なくとも2017年3月16日以降でなければ公式SIMロック解除を受けられません。なぜならば、発売日が2016年9月16日だからです。
続いて、auで公式SIMロック解除を受ける方法をチェックしてみましょう。auの公式SIMロック解除は、auショップ店頭もしくは「auお客さまサポート」で行えます。店頭でSIMロック解除を申し込む場合は、本人確認書類を持参のうえauショップに出向いてください。本人確認書類としてあげられるのは、運転免許証や健康保険証などです。
店頭でSIMロック解除を行うと、3,000円の手数料が請求されます。手数料をかけずにSIMロックを解除したいなら、auお客さまサポートで手続きを行ってください。手続き手順は、以下のとおりです。
手数料なしで公式SIMロック解除を受ける方法
- 「auお客さまサポート」にログイン
- トップメニューで「操作・設定・トラブル」を選択
- 表示されたメニューから「SIMロック解除の手続きをする」を選択
- au契約時に設定した4ケタの暗証番号を入力して「次へ」をクリック
- SIMロック解除できる機種名が表示されるので、チェックボックスにチェックを入れる
- 「次へ」を選択
- 確認画面が表示されるので「この内容で申し込む」を選択
- 解約理由選択画面が表示されるので、任意のものを選択
- 手続き完了画面が表示される
以上の方法でiPhoneのSIMロックを解除すれば、UQモバイルで利用するための条件を満たしたことになります。auからの乗り換えを行う場合は、MNP予約番号を取得したうえでUQモバイルの契約を申し込んでください。
どのくらい安くなるのか
本ページの最後に、auとUQモバイルの料金比較を行っておきましょう。比較するのは、高速データ通信量3GBのプランです。まず、auのプラン内容をご覧ください。
auスーパーカケホ |
1700円/月 |
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データ定額3(3GB) |
4,200円/月 |
LTE NET |
300円/月 |
「auスーパーカケホ」は、5分間の無料通話分を何度でも使える料金プラン。上記組み合わせで契約した場合、auの利用料金は月々6,200円となります。続いてUQモバイルで、データ通信容量3GBのプランを契約した場合の料金を見てみましょう。
たっぷりプラン |
3,980円/月 |
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「たっぷりプラン」は最大60分の無料通話付きプランですが、2017年3月からは自動的に「おしゃべりプランM」へと切り替わります。おしゃべりプランMは、5分間の無料通話を無制限で利用できるプランです。
上記プランを比較すると、auと比べてUQモバイルは2,220円も安価。月々の通信費を抑えつつ、無料通話まで利用できます。Eメールサービスもフリーメールではないキャリアメール扱いのメールアドレスが使えます(オプション)。
さらに、auで使ってきたiPhoneの調子がいまひとつ状態になってきたのなら、乗り換えを機に新しいiPhoneのSIMフリー端末を購入することも考えられます。この点、UQモバイルでなら端末購入アシスト制度を導入しているので初期費用を安く利用出来ます(データ高速プランだけでは利用できなく、音声通話プランと組み合わせると利用可能)。
端末代金は高いのでこういう対応状況はありがたいですね。しかもUQモバイルの回線は、本家auと変わらないぐらい高品質な通信速度。少ない出費で、快適にiPhoneを運用できますよ。